新商品のチェックはどうしているのかと聞かれることがよくあるのだが、普通にスーパーやコンビニをこまめに回って売り場を見ることが基本だ。しかしそれだけではコレクションしたいローカル商品や珍品を入手しそびれることが生じてしまうので、県のアンテナショップ巡りやネット検索も欠かせない。
そんなネット検索で発見したのが、「CD付きラーメン」だ。いや、正しくは「ラーメン付きCD」だ。なので価格がパッケージにちゃんと印刷されている。税別926円なので、消費税込みで1000円ということになる。
1000円の即席麺というと思い出される一品がある。1987年に登場した明星食品の「新中華三昧特別仕様」箱入りだ。5種類あって、デパートのみで販売されていた。ちゃんと新宿伊勢丹まで行って5種類全部買いましたとも。
当時はバブル経済真っ盛りだったのだ。じゃなければメーカーもこんな高価格商品を出さなかっただろうし、自分も全部は買えなかったような気がする。経済感覚が今とは違っていたんだろうなぁ。
長いデフレを経験して財布のひもが固くなった今、1000円もするこのラーメン付きCDを買うことができるのか。それはこの商品を「ラーメン付きCD」と解釈するか「CD付きラーメン」と解釈するかで気持ちが全然違ってくる。
こちらのパッケージには「なんで?」と書いてある。てっきり「なんでCDにラーメンがついてるの?」という意味かと思ったのだが、そうではなくてCDに収録されている楽曲のタイトルだった。歌詞もラーメンとは無関係だ。
このパッケージに入っているCDには「なんで?」と「怪獣ANPONTAN」の2曲入り。バージョン違いも含めると9曲も入っている。なので「ラーメン付きCD」と解釈すると、通常はCDだけで1000円くらいの価値があるから「CDにラーメンがタダでついてきた」と思えるのでとてもおトク感がある。しかしこちらはラーメンコレクターなので、どうしても「CD付きラーメン」と考えてしまう。となるとCDというおまけが付いているとはいえ、「1000円もする超高額ラーメン」というイメージになる。はたしてバブルでもない今、超高額なラーメンを購入することができるのか。
「えいやっ!」(清水の舞台から飛び降りたつもり)ということで全部ゲットしてきた~。
ラーメン付きCDは食品扱いとなるので普通のCDショップには置いてないみたいだ。だからヴィレッジヴァンガードなどで入手だ。
ということで今回の商品をいただいてみよう。
◆五十嵐製麵「なんで?喜多方塩味」
パッケージには「会津地鶏使用コラーゲン入り」と書かれている。五十嵐製麵は会津の製麺会社で喜多方ラーメンブームの原動力となったことで知られる。
中身は麺と液体スープとCD。五十嵐製麵なので麺への期待が大だ。
熟成乾燥麺らしく表面に透明感がある太さ中くらいのちぢれ麺は、コシ感があるシコシコした噛みごたえ。液体スープで作る透明度の高いつゆは、チキンの旨みがベースで、スッキリしつつもコラーゲン入りでまったりとした味わいもある。
かなり色物風のパッケージなのだが、食べてみると実にまっとうなラーメンであった。
楽曲のほうもラーメンコミックソングなのかと思って聴いてみたら、意外と深みのある歌詞でポップな仕上がり。アタマの中で「なんで?」がリフレインしてる。パッケージに描かれているメンバーの姿がボンデージなので、一見お色気がウリのグループっぽいが、PVを見るかぎり色気よりフレッシュさがウリのようだ。
【今回の即席レビュー(5点満点)】
なんで? Anger
香ばしさ ★★★+ ★★★★+
スッキリ感 ★★★★+ ★★★+
麺歯ごたえ ★★★★ ★★★★+
<この商品が好きな人にはこんな一品もオススメ!>
◆五十嵐製麵「喜多方ラーメンしょうゆ味」
こちらはCDとは無関係の純粋な喜多方ラーメン。
◆五十嵐製麵「Anger喜多方味噌ラーメン」
CDがついた税込み1000円の味噌ラーメン。「Anger」は楽曲名。歌詞は、いろいろと怒ってます。
表面にうっすら透明感がある長方形断面で手もみ風にちぢれた太めの麺は、しっかりとした噛みごたえのあるシコシコ食感。液体スープで作る色濃いめのつゆは、ごまやにんにくの風味もする香ばしくてコクのある味噌味。
文/大山即席斎
1959年に生まれ。日清チキンラーメン登場の半年ほど後輩の同級生。80年の下宿生活開始でインスタント麺との付き合いが開始。35年以上毎日インスタント麺を食す日本屈指のインスタントラーメン研究家。95年テレビ東京の「TVチャンピオン 第1回インスタント麺通選手権」に優勝。今までに食べたインスタントラーメンは1万食を超える。
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